Oak household altar(仏壇)

Oak household altar(仏壇)

包み込むオークの優しい地色

それに合う繊細な作りのガラスの内扉と
中を守る頑丈な木の外扉の二重扉

縦に並ぶ黒色に少し白色が混じったマーブル取手が付いた
引き出す作業台と2つの物入れ

そこから伸びるできる限り細くテーパーに落とした
シャープな細い脚と強度を保つ広い棚板

そのどの部分もオークが元々持つ草原のような木目と淡く薄い木肌色が
まさにすっぴんのような垢抜け方で
周りのものたちと調和して安定感や安らぎも感じれる
そんな特別なお仏壇を製作することが出来たんじゃないかなと
感じています。

ご先祖さまからの繋がりを大事にされるお客様に
ご満足いただけたことはとても感慨深く素直にうれしく感じました。


どんな好きなものも合わせやすいインテリア

始まりは
小さめのインテリアになじむお仏壇を作って欲しい。
そんなご依頼から始まりました。

お部屋には黒でペイントされたフレンチテイストのカップボードがかっこよく、他の部屋にはナチュラル色のチェストなどが置かれていました。雑貨なども全て大事に使われて来たことが感じ取れ、すごく好感を持つことができました。

やはり僕もお部屋を見せていただき、このようなお家に既存のお仏壇を置くことはむずかしいと思いました。日本は元来お仏壇を生活の一部、思想も含めてインテリアの一部としてきました。これらの文化を大切に思い続けていくには既存のものではなく、今の多様なスタイルのそれぞれの住まいに合ったお仏壇が必要だと強く思わされました。

どの様にすれば全体的な統一感を保ちながらお仏壇をお家に置くことができるのか?これを解決するお仏壇を作ることが最も重要なポイントだと感じました。
ご先祖さまを祀る事、共に暮らす事はとても大切な気持ちの在り方で、大事にしたい。そして、これからもっともっとインテリアを楽しみたいということで、もう少しお話をお伺いして糸口を探しました。

そしてお話ししていて感じたことは
ひとつのテイストというのではなく、好きなものを好きな空間に合わせやすいインテリアを求められてるのかなと

フレンチさも ナチュラルも ちょっとモダンで ごちゃごちゃしないシンプルさも 和のものも
そしてたまにはクラシックな柄物でも遊びたい
国も超えて時間も超えて
お互いに敬意を払って
そんなミックスなテイスト
今回のお仏壇という課題にピッタリだと感じました。

ミックスなスタイルはとても自然で
肩肘張らない楽な心の持ちようなのかなと思う。
そしていろんなものを包み込む余白を持っている。


時間の幅の差が生む隙間

ノルウェーの教会の階段で旅の仕方を僕に教えてくれる10歳下のアメリカ人や
エストニアのタリン旧市街を並んで歩くその日出会っただろう異国の若い3人

どこかワクワクさせてくれて

フランスの地下鉄の空間を新鮮な空間に調和させるベンチや椅子や
イタリアの古い建物の中にあった色とりどりの眼鏡屋さん

なんか居心地の良さがあって

クロアチアのフヴァル島で泊まるところがなく困っていた時、内戦のあったボスニアから移り住んだお婆ちゃんに助けてもらった。そのおばあちゃんの家の壁に大事そうにかけられた家族写真


その空間に僕が迎え入れてもらえた経験の繋がりがあった。

僕が周ったヨーロッパの街々で心地よく感じたのもそんな包み込むような感覚だった気がする。
古いものの中に見るワクワクさせる新しい世界
今あるものの中に見るホッとする懐かしい化石のような記憶
人が持つ経験の系譜
僕がとても大事にしているこの感覚。



どれも静かで穏やかな余白があって成り立っていてそこに許容が生まれてるんだと思う。figのインテリアにアンティークやオーダー家具、セレクトなどがバラバラにならず存在できているのもその感覚を大事にできているからかな。

アンティークは長い時間幅を持っていて落ち着きがあり穏やか、新しい家具は短い時間幅を持っていて動的で強い。その両方には人も関わりがあり、この時間の幅の差がこの感覚を生んでくれてると感じる。
そうやってみんなが許容できる空間ができていると思う。

ピッタリ合うと余分な空間はできないけど
違うもの同士は隙間ができる
この隙間が余白なんだろうな

ミックスの真髄
空間が上手に混ざってくれる。



それだけでミックス
じゃあどう作る、余白??

そんな色々が混ざる大好きな空間にお仏壇。
まさに新しい街に作るお寺みたいなものかな??
お仏壇自体が古い概念を持っていて、しかも既存じゃない新しいお仏壇となれば
それだけで新しいものと古いもの、動的なものと静的なものが混在する余白を持ったものになる。
どう新しくするかが重要でそれができれば周りも巻き込み包み込む空間はできる。
その方法のは色々あると思うけど、僕が思いついたのは
未完成のような完成形
何かをしないことで完成させる
つまり何かを省くこと、しないこと



家具の部屋に与える影響力は
色の印象>デザインの印象

僕が部屋の全体を見る時に1番最初に見るところは、色合い。
部屋はあくまで集合体なので、ひとつひとつの家具のデザインよりも
ひとつひとつの家具の色の繋がりの方が優位性が高いと考えています。

その色の繋げ方で部屋の印象が決まる。
濃い色だけ繋げるとどうなる?薄い色だけなら?これはもう実験して感じるしかない。
じゃあ今回のミックスは?あくまで僕の実験結果だけど、ミックスはコントラストの差を大きくして色目を繋ぐとまとまりやすく、いろんなものが存在しやすい許容感をもった空間になりやすい。
例えば、アンティークの濃いブラウンと北欧家具のような色を入れない木地色そのままの家具の組み合わせ。逆に近似色の家具で合わせた場合、ミックスで1番まとまりにくくなると個人的には思う。


色を入れない
そのままの木色で

色の印象が強く影響及ぼし、コントラストが強い方がいいのであれば
黒いカップボードの横に置くお仏壇だから色はそのまま、ありのままでいこう。

色を入れない。

色を入れないオークそのものの色目を出す塗装を施す。濡れ色にもならない。艶もない。長く使っていただくために保護のためのオイルはしっかり入れる。

とても綺麗で黒との相性も良い。とても自然だ。


デザインはミニマルに
気遣いはマキシマルで

形も色と同じ考え方でシンプルに出来る限りミニマルに余分なところを作らないデザイン。使い方、収納するものなどを確認して必要以上なものは作らずに描いていく。
毎日の大事な感謝のルーティンが心地良く出来るように。

お客様のご希望もあり台に置くタイプではなく、お仏壇自体で独立してるデザインをベースに、一連の動きに合うように高さなどの寸法割りをします。
両膝をついて少し視線が上に向くように。そして道具を仕舞う用とお線香用の2段引き出し収納、おりん・香炉・火立を置く引き出す可動式の台、そしてストック用のオープン棚を設置して小ぶりなキャビネットの雰囲気に仕上げました。
またオープン棚は猫ちゃんがお仏壇にのっても倒れにくいように少しでも重心を下げる事を考慮して、また脚のぐらつき防止の為にも設置しました。

扉は中に埃が入らず光を届けたいというお客様のやさしいお気遣いで内ガラス扉と外木扉にしました。内扉の取手になる円のしゃくりは内側を大きくすることによって指が引っかかり開けやすく加工しています。
また位置はできるだけ下方にもっていき、開ける時に祀られてる方々に指をさすことがないようにしています。
その分、扉の上下に付いている球蝶番の上の方を少し緩くすることによって、開ける時の音が2度聞こえないように調整しました。
またそんな金物類たちも設置時のビスの向きを確認してから選びました。


ついに完成!!

できあがり実際完成して置いてみると、あっという間に周りの家具や小物たちと仲良くなりすぐに居場所が見つかりました。
カップボードとの相性も予想通りでお互いの色目が際立ちます。いい相棒です。
部屋の窓から入る光と心地良い風、そこから見える川の景色とも打ち解けて、部屋全体が柔らかく角がとれた川石のように滑らかな空間になりました。
この部屋から他の部屋へまた繋がっていき、お家全体がどうなるか楽しみでしょうがない気持ちになりました。


ぜひお悩みの方は

このお仏壇はいろんな形に変えてお作り出来ます。
脚のない台座タイプのものや、引き出しなどが無い扉のみのタイプなどご希望に応じてお作りいたします。
ぜひお気軽にご相談下さいませ。
Name
Oak household altar(神棚、仏壇)
Size(cm)
W460 D450 H1145
Material
Oak , Oak Plywood
Type of paint
Natural Mat Oil without wet taste
(本来の木の色が楽しめる無塗装に近いオイル塗装)
Voice お客様の声

仏壇らしくありながら、ぽくない仏壇

お仏壇をご購入のお客様よりご感想を頂きました。